トリニダード島とトバゴ島、2つの島と属領からなるトリニダード・トバゴ共和国。
この国で製造されるラムは、英国系ラムで知られており、ジャマイカを筆頭にガイアナ、バルバドスに次いで骨太で厚みのある香味が特徴と言えよう。
政府の方針により製糖工場が閉鎖され、2003年に閉鎖されたカロニー蒸溜所により、多く知られるようになったのがトリニダード・ラムではないだろうか。
かつては50以上あった蒸溜所も1950年には8カ所となり、現在、同国で操業している蒸溜所は、1949年に設立されたアンゴスチュラ傘下のTrinidadDistillers Ltd. (T.D.L.)1カ所のみである。
そんなトリニダード・ラムの中で最も短命であった幻の蒸溜所の1つ「テン・ケーン」。
LVMH社の特別なプロジェクトにより2005年に設立され、サトウキビジュースをポットスティルにて蒸溜しラムを製造していたが、内部金融と政治議論により、不運にも2015年に閉鎖となった蒸溜所だ。